鍍金

鍍金とは

金属には鉄など素地のままではすぐにふしょくされ錆が出てぼろぼろになるものがあります。 これらの金属の表面を美しく保つ為、錆や変色に強い金属の薄い被膜をその上に付着する事をめっきといいます。

鍍金とはご想像の通り金属を金属でコーティングするものです。一般的には金鍍金や銀鍍金が有名である一方製造業ではクロムやニッケルなど多様なめっきが施されます。

鍍金の目的は金属の表面を美しく保つ為で、特に鉄など腐食しやすい素材を長持ちさせるために大きな効果を発揮します。金属でコーティングするといっても絵の具のように塗るわけではありません。電気鍍金法、無電解鍍金法のいずれも化学反応で素材に鍍金を付着させます。

一般的に電気めっき法と無電解めっき法があり、フカサワは防錆・装飾・通電性など目的に沿った種類を 選定いたします。

電気めっきと無電解めっき

電気めっき

電気めっきは、電解液での通電を用いた方法です。めっき材料を陽極(プラス)、被膜をつけたい製品を陰極(マイナス)に接続して通電するとめっき材料が金属イオン(原子の粒)となって少しずつ解け始めます。これは通電によって電子が金属から離れるからで金属イオンの電位はプラスとなります。したがって金属イオンは陰極に引き寄せられます。その結果、陰極に接続した金属表面にある電子とくっ付いて被膜となります。

電解液といえば液中に溶けた物質を分解させる電気分解が理科の実験でお馴染みですね。こちらは陽極に接続した金属そのものを少しずつ分解してしまいます。電気鍍金を続けると、当然めっき素材がすり減っていきます。

電気鍍金は表面に鍍金を折出させるもので装飾、防錆とさまざまな目的に応じて比較的安価に金属皮膜を付与出来ます。コストを抑えた上で適切な鍍金加工ができるため幅広い用途に施されている。

長所 短所
金属的感触がある 色の種類が少なくない
光を反射して存在を強調する 大きさ、形状に制限がある
鏡面仕上げができる 均一な厚さにできない
厚さを加減できる  
耐熱性がある  
耐摩耗性がある  
耐汚染性がある  

無電解めっき

無電解めっきはめっき液に溶かしておいた金属イオンを還元反応で製品に付着させる方法です。電気めっきはめっき素材を金属イオンにする必要がありましたが、こちらは最初からイオン化した金属を使います。金属イオンはそれらが結合しないので原子の粒として存在します。

めっき液は金属イオンと水、そして還元剤というものが含まれています。還元剤はめっき液に品物が投入されると水分子と一緒に反応します。すると製品の周りに電子が発生します。そして電気めっきと同じく金属イオンが電子に引き寄せられて被膜を作ります。還元が終わった後のめっき液には電子が減った水素イオンと、還元によって生まれた酸化物が残ります。

無電解めっきは通電しないので金属から非金属に至るまで広くめっき可能という大きなメリットがあります。しかも膜厚精度もきわめて高い為、主に機能を重視した工業的用途に施されています。一方で値段は電気鍍金より高めです。

長所 短所
金属的感触がある 色の種類が少なくない
光を反射して存在を強調する 液温が高い
鏡面仕上げができる 値段が高い
厚さを加減できる  
耐熱性がある  
耐摩耗性がある  
耐汚染性がある  
大きさ、形状に制限がない  
均一な厚さにできる  

鍍金の目的と材質

鍍金の目的

めっきの目的は表面の色を変えるだけではありません。主に防食・防腐、装飾用途、機能追加の3つがあります。

まず、防食・防腐は金属の機能を守り寿命を長持ちさせるために重要です。どうしても金属は酸化によって錆びて腐食されていきます。それを防ぐための塗料もありますが定着度合いを考えればやはり鍍金をお勧めします。

見た目を美しくする装飾効果も大切です。めっきは金属らしい光沢感を保ってくれるので商品の見栄えを良くするだけでもその価値があります。

さらに、めっきは被膜した金属のメリットを得ることができます。例えば熱に弱い製品に耐熱性を加えたり、脆い金属に耐摩耗性を加えたりといった具合です。

鍍金の材質

めっきの材質は目的に応じてこのような種類を使い分けます。電気鍍金では亜鉛めっきがよく使われ、通電性のためにはスズが使われます。無電解めっきの場合はニッケルがよく使われます。鍍金によってどんな効果を得たいか分かればそれに合わせた提案が可能です。特注品へのめっきもご相談ください。

電気めっき 防食・防腐 亜鉛めっき(3価/6価クロメート)
鉄亜鉛合金めっき(ストロンジンク)など
装飾 ニッケル
クローム
金 など
はんだ性・通電性 スズ
耐摩耗性 硬質クロム
無電解めっき 無電解ニッケル

主な取引先業種

弊社はネジや部品・パーツを必要とする業者と多数取引を行い、創業から80年でこれだけ多様な業種に関わることができました。幅広く業界事情を知っているからこそ、御社の課題に合わせた製品提供が可能となります。こちらに表記されていない業種からのお問い合わせも大歓迎です!御社だけで解決できないお悩みは気軽にご相談ください。

建築・建材事業 機械部品関係 部品製造事業
電子部品製造事業 ホビー事業 弱電関係
輸送用機器製造事業 車載センサー事業 樹脂成型品製造事業

よくある質問

Q外観部品に亜鉛めっき(三価)を使用したいが色のバラツキが大きい。
バラツキを無くせないか?
A三価処理品は、浴種・薬品の違い、処理液の違い、処理液の濃度・PH・温度、処理時間によりバラツキが出ます。処理液の状態を一定に保っても管理幅内での違いが発生します。色のバラツキはあっても性能に問題はございません。
色にお困りのようであれば、焼付塗装等も可能ですのでご相談ください。
Qめっきの膜厚にバラツキがあるようだが、均一にならないか?
A電気めっきの特性上、角(又は突起)に厚くつく事になります。Rをとるなど設計的な配慮も必要となりますが仕様上、均一が必要であれば無電解めっきをおすすめいたします。
Q亜鉛めっき(三価)を使用しているが耐食性に満足いかない。
耐食性が三価より優位なめっきはありますか?
A一般的には塩水噴霧試験において「72時間以上で白錆の発生のない事」が求められますが(自動車関連向けでは96時間以上を求められる場合も有) より耐食性を求められる場合もございます。弊社では三価より耐食性に優れる鉄亜鉛合金めっき(ストロンジンク)など、ご提案が可能ですのでご相談ください。
Q亜鉛めっき(三価)の膜厚は何ミクロンついていますか?
A下地亜鉛めっきを含めて5μ以上が標準的な処理です。自動車関連向けでは8μ以上指定とされる場合もあります。膜厚指定がある場合にはご相談ください。
Q各規制(ROHS・REACH)に対する調査や書類提出は可能でしょうか?
A可能です。弊社は各産業分野のお取引様とのお付き合いの中で対応中でございます。
一部有料となる場合がございますので、ご相談ください。

サービス一覧、加工一覧

サービス一覧

弊社はねじ・パーツの総合商社として多数の商品を取り扱ってきました。規格品はもちろん、特注品についても弊社が図面から制作することが可能です。品質管理のためなら設備の制作まで行います。部品についてのお困りごとがありましたらなんでもご相談ください。

加工一覧

弊社では熱処理の前段階である一次加工も行なっております。切削加工や鍛造加工で問題を抱えている場合も持ち前の提案力でお応えいたします。不良品を減らしたい、短納期でも対応してほしい、部品のコストを下げたい、話の通じない担当者とのコミュニケーションコストを減らしたいなど様々なケースに対応できます。